私のレッスン生にも障がいのある方が何人もいます。
どこまでが障がいでどこまでが健常かは境目が難しい時もある(私だって絶対ある)けれど…
たとえば全盲の場合。
全盲の方は日常で身体を使う範囲が限られ、特に後ろを振り返る、斜め後ろにひねるなどの動作は足りなくなりがちなので、一時間のレッスンでは、最初に弱い部分の筋トレと瞬発力のトレーニング、バランス調整をやってから発声練習、また解説で20分は費やして、残りの30分強で曲に取り組みます。
彼らは初めから暗譜です。
8小節程度しか進みませんが、歌詞をゆっくりしゃべる、普通の速度でしゃべる、リズムで喋る、無理のない高さで歌う、実音で歌う、歌詞をつけて歌うなど、何段階かで私がやったものを録音して、本人にも何度も歌詞を発音してもらい、後は宿題。
次のレッスンまでにはそれなりに暗譜してきて、いよいよ歌い方のレッスンになり、続きをまた同じようにして宿題を出します。
レッスン生に全盲の方が3人もいるおかげで、全盲の方の考え方や生活を初めて身近に感じることができました。
私自身は音楽という狭い世界にいながら、レッスン生には多様な職種、多様な価値観、多様な生活スタイルの方々がいるおかげで、少しは世間を知ることが出来ている気がします。
またご存知のように、世の中には重度の障がいがあっても、信じられない能力を発揮する方々がいます。
今回の「おんがくかいぶらり」バリアフリーライブは、その世界を知らない方には本当に必聴必見だと思います。
接点が無ければ一生知れないかもしれない世界。
これはYouTubeとかテレビやネットで見るよりも、生でその時間を共有して欲しい。
オランダに住んでいた時は障がい者は割と街に1人でいたり、知らない人が助けている場面をよく見ました。日本はまだ隠れてしまっている気がします。家族も、周りに迷惑をかけると遠慮してしまう。
健常者だけの世界にいたら分からない苦労や輝き。
こういう方たちが普通に、自然なこととして社会の表にいるべきと思います。本来ならば障がいという説明をタイトルもいらないはず。
関心を寄せて、ぜひご予約していらしてください。
(当日飛び入りでも受け付けます)
お席がまだまだあるようです。
大勢の方のご予約をお待ちしています。
日時:2023年12月16日(土曜日)午後2時開演(開場:午後1時30分)
会場:山梨県立図書館1階 イベントスペース
定員:150名(先着順)
※聴楽無料
11月22日(水曜日)より受付開始
以下のお申込みフォームから、あるいはお電話でお申込みください。
山梨県立図書館 総務企画課
電話:055-255-1040
主催:山梨県立図書館
協力:合同会社ナーブル音楽企画