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藤原義章先生著「リズム」読了

山梨や各地の音楽界に大きな影響を与え、笛吹音楽祭の創設者で長年の指揮者でいらっしゃったヴィオラ奏者の藤原義章先生による渾身の新著を読了しました。

先生の許可を得て、私の感想を投稿します。

日本のズレた音楽教育やそれに影響された演奏習慣に対する重大な問題提起にとどまらず、世の中の様々な流れや考え方に対する違和感や先生自身の考え方がわかりやすく述べられており、また演奏家にとっても大切な指針となる、より理想的な(自然リズムに即した)演奏へのヒントが130ページという限られたスペースに無駄なく簡潔にまとめられ、ストレートに伝わる内容でした。

クラシック音楽の演奏家、愛好家の方はもちろんのこと、クラシック音楽をよく知らない方、その世界に不思議を感じている方などにも読んでいただきたい名著です。

先生を存じ上げる私としては、その教養の高さと感覚の鋭さ、物事を俯瞰して見られる冷静な着眼点、内に秘めた情熱や想い、正直さ、無駄なく簡潔に伝えられる文章力、そして音楽やその他芸術学問に対する深い愛情が詰まった内容に改めて納得、感服いたしました。

ぜひお手に取って読んでみてください。

お買い求めは、身近な地域の本屋さんから購入できるこちらのリンクをお勧めします↓
 https://www.e-hon.ne.jp/bec/SP/SA/Detail?refShinCode=0100000000000034294447&Action_id=121&Sza_id=B0

以下、出版元の春秋社の解説ページから転載します↓

 【内容説明】
花びらの配列、蝸牛の形状、台風や鳴門の渦巻き…。どんな微少な生物にも自然現象にも、生命を支えるための波動や周期でつながるリズムがある。演奏における微細な振動の音色やヴィブラートも曲全体に影響し、音楽表現を美的にしている。自然の法則から生み出されている美しいカタチや動きの構造を演奏実践に援用する試み。長年の演奏・指導経験から自然リズムでデザインする演奏法を実践してきた「美しい演奏」理論。あなたの演奏と、仲間達とのアンサンブルが一層充実し、たのしくなります!

【目次】
第0章  アウフタクト
第1章  音楽のちから
第2章  リズムは形の流れ
第3章  音楽のエロティシズム
(1)音楽のクライマックス
(2)自然リズムを割り出す
第4章  拍と拍子
(1)各拍の特徴
(2)拍子拍の特徴
第5章  色彩リズム
第6章  音のピッチ
第7章  純正律と平均律
第8章  演奏における変容リズム
最終章  ふたたびアウフタクト

あとがきに代えて
参考文献

記事一覧

Seika Kawaguchi

声楽家。山梨県甲府市出身。新潟大学教育学部、同大学院教育学研究科にて声楽を専攻した後、渡欧。オランダ王立音楽院のソロ声楽科で学び、国家演奏家資格を取得し卒業。フランス・ドイツ歌曲を中心に、バロック声楽曲、宗教曲、現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、国内外で演奏活動を行っている。

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