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想像力を持つこと

※こちらはオンラインサロン「川口聖加のうたサロン」に書いたエッセイを若干編集して転載したものです。

「川口聖加のうたサロン」はこちら↓

https://lounge.dmm.com/detail/3847/

想像力は世界を幸せにする最も大切な要素の一つだと思います。

山梨県立図書館で本日13日まで開催している「小林浩太朗作品展 in 山梨県立図書館」に行ってきました。

生後まもなく、てんかん発作が頻発し脳性麻痺に至り、全介助のケアが必要となった浩太朗さん。会話はできませんでしたが、家庭教師の佐藤袈裟江先生や母親の小林圭子さんのサポートや指談により、自分の伝えたいことを絵画・書・詩画で表現し続け、2020年に23歳の生涯を閉じた青年です。

作品展会場に入るとまずは整然と美しく並べられた作品群に目を奪われます。来場者に配られる年表もとても細かく、その歳の彼の状態や作品、発言などが書き込まれ、浩太朗さんがいかに愛されて育ってきたかが分かります。

彼の中にどんなに思いが溢れていても、介助なしでは、これらの作品は生まれませんでした。しかもその介助は誰でもよかったわけではなく、家族はもちろんのこと、やはり佐藤袈裟江先生のような方がそこにいたということの幸福を感じずにいられません。浩太朗さんも確かどこかで発言していたと思うのですが「自分の作品は、自分以外の誰かとの共同作業によって生まれるもの」。それは私の活動にも言えることで、ピアニストやオーケストラがいなければ、ほとんどの歌の演奏は成り立たないし、聞いて下さるお客様とのコミュニケーションがある前提でコンサートを準備しています。

自分一人では動くこともできない、話すこともできない青年がパッと目に入ったとき、人は何を思うでしょうか?

このようなことを「自分の言葉」として持っていることを想像できるでしょうか?
https://note.com/keikotaro/n/n6e2e1c58a862

最期の作品まで、46作品を通して、私が特に印象深く目に留めたものを2つ、写真でご紹介します。

4作品目「赤いところは心の中の熱いもの 途切れたり続いたり。光と光の間に道が見えた」

25作品目「努力は夢を生む」

どれも心の奥底にグッと来る言葉やイメージです。それぞれが素敵だから、特に何に惹かれるかでその人らしさが出そうです。

目に映るものをどう捉えどう判断するか、可能性、希望、夢、努力、情熱、知性、冷静、葛藤、受容、赦し赦されること、感謝、沢山のメッセージをいただきました。

※沢山の方がこの作品展の感想をSNSに投稿されています。主催の方が「ぜひこちらにも感想をお寄せください」とおっしゃっていましたので、こちらにも送ろうと思います。行かれた皆さまはぜひ!
https://mail-to.link/m8/aan7g6

#2026年までに甲府近辺に100席の音楽ホールを所有する

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Seika Kawaguchi

声楽家。山梨県甲府市出身。新潟大学教育学部、同大学院教育学研究科にて声楽を専攻した後、渡欧。オランダ王立音楽院のソロ声楽科で学び、国家演奏家資格を取得し卒業。フランス・ドイツ歌曲を中心に、バロック声楽曲、宗教曲、現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、国内外で演奏活動を行っている。

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