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ピアニスト森田基子さん

明日はバリトン吉江忠男さんとピアニスト森田基子さんとのサロンライブです。

いつも吉江先生を中心に取り上げていますので今日は敢えてピアニストの森田基子さんを取り上げようと思います。

ご本人はどこまでも謙虚で目立ったことを嫌い、ご自分のことは極力お話になりませんし、私もこの記事で同情を集めたいわけではなく、素晴らしい天文学者がいらしたこと、またその奥様であり、ピアニストである森田基子さんが、ピアノを介してその意思を引き継ぎながら素晴らしい活動をしていらっしゃることを紹介したく、ご本人に許可を得て投稿いたします。

森田耕一郎さんがどのような方だったか、添付した佐藤しのぶさんのエッセイをご覧いただきたいと思います。

私が森田基子さんと出会ったのはご主人が他界された後だったので、直接は存じ上げません。エッセイに書かれているように、森田耕一郎さんは天文学であまりにも偉大な功績を残された方だった、後世にも大変な影響力を与える方だったお話は様々な方からお聞きしました。またアマチュアのヴィオラ奏者で音楽をこよなく愛し「宇宙は、地球から離れるにつれ、科学から化学、そして芸術の領域に入っていくんです」という言葉を残したことも。

このような形で身内を亡くされた立場になって考えることなど私には到底できません。森田さんは「数年間、視界から色が消えた」とおっしゃいました。また「それを少しずつ救ってくれたのは音楽だった」ともおっしゃいました。

森田さんと吉江忠男さんとの出会いは、近所に住む音楽に造詣が深い老婦人がそのご縁を繋げてくださったとのこと。森田さんには「すばらしいバリトンの方がいるからあなたに会わせたい」、吉江先生には「素晴らしいピアニストさんがご主人を亡くされて元気がなくなっているからぜひ会ってほしい」と。

そこからお二人のご縁が繋がり、その間、吉江先生のレッスンに通われていた佐藤しのぶさんとも繋がりました。

耕一郎さん他界後、5年以上も人前で演奏する気力がなくなっていた森田さんを大勢の音楽仲間や、ご主人と共通の方々が励まし、ようやく東京文化会館でご主人を偲ぶ演奏会が開催されたのは2017年1月6日(金)、私もその場所にいました。

吉江先生は佐藤しのぶさんと聴きにいらしていました。

そこからお二人のご縁が繋がり、その間、吉江先生のレッスンに通われていた佐藤しのぶさんとも繋がりました。

耕一郎さん他界後、5年以上も人前で演奏する気力がなくなっていた森田さんを大勢の音楽仲間や、ご主人と共通の方々が励まし、ようやく東京文化会館でご主人を偲ぶ演奏会が開催されたのは2017年1月6日(金)、私もその場所にいました。

吉江先生は佐藤しのぶさんと聴きにいらしていました。

佐藤しのぶさんが添付のエッセイで書かれているとおりで、私もあの日の森田基子さんのピアノ独奏、ドビュッシー〈月の光〉を聴いたときの衝撃は忘れられません。もし様々な背景を何も知らずに純粋にあの演奏を聞いただけでも、あの時の「宇宙、全世界と交信しているような」印象、感動を受けたに違いないと思っています。

ピアニストとしても色彩感や美しい響きを求め、日々鍛錬を積まれている一方で、若手の有能な演奏家を積極的に紹介する活動もされています。

歌手に寄り添うように美しい音を奏でる森田基子さんのピアノ演奏、明日のサロンライブでもぜひ楽しみになさっていただきたいと思います。

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Seika Kawaguchi

声楽家。山梨県甲府市出身。新潟大学教育学部、同大学院教育学研究科にて声楽を専攻した後、渡欧。オランダ王立音楽院のソロ声楽科で学び、国家演奏家資格を取得し卒業。フランス・ドイツ歌曲を中心に、バロック声楽曲、宗教曲、現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、国内外で演奏活動を行っている。

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